高齢者の体型は、脊柱の加齢変化により背部後弯(円背姿勢)となりがちです。
若い人の場合は脊柱がなだらかなS字状のカーブを描いており、頭部を含めた上半身の重さがうまく脊柱全体に分散されているため直立二足歩行に最適な体型となっています。しかし背中が曲がった姿勢になってしまうと歩行のバランスが崩れ、転倒の危険性が高まります。それに加えて神経や筋肉の加齢変化が起こるため、立って歩くための条件が減っていくことになります。
神経や筋肉の加齢変化とは、大脳や小脳の萎縮による判断力低下、適切な運動出力困難(ぎこちない動き)また筋肉量の減少に伴う筋力低下などが挙げられます。
そういった要因により高齢者の生活状況は座位や臥位中心の生活となり、そのことがまた身体を使わないことによる筋力、バランス能力、筋肉・関節の柔軟性の低下に繋がっていきます。(廃用症候群)